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ケース4 

傷病手当、障害厚生年金、雇用保険等の受給が終了し、再就職を考えている場合

再就職を考える場合、その前提は労働能力がどれほど回復しているかということにあります。

関 東ではNTT東関東病院が有名ですが、職場復帰プログラムを実施している機関で訓練と評価を受けるのがベストです。関西では宇治黄檗病院が実施しています。朝決まった時間に家を出て1時間程度の通勤時間で週5日間、出勤できる訓練が必要です。いい訓練場所がない時は、自分で場所を決め(例えば喫茶店)そこへ通勤します。新聞を理解しながら読めるか、軽い本を読めるか、その日の起床時間、通勤訓練の様子などを手帳に書き込みます。まわりを1時間ほど散歩し てから、図書館や公民館などで午前中を過ごします。毎日散歩や読書、パソコン作業など自分で計画を立てて過ごします。太りすぎないよう間食を減らし、脂肪 と砂糖を一緒に取らないようにします。(例えばコーラとハンバーグ、バターとジャムなど)お酒は週1回で少量、タバコはあきらめます。

脳に新鮮な血液を送る必要があるからです。精神疾患では多かれ少なかれ脳がダメージを受けています。ビタミンCやEを不足させず、腹式呼吸などで酸素を取り入れる工夫も必要です。

 労働能力の回復は、気分や日常生活の回復ほどには順調に行きません。時間と訓練が必要です。100%の回復に時間がかかりそうであれば、次のような方法もあります。

    @     H17年の障害者雇用促進法の改正で精神障害者(手帳所持者)が雇用率の算定    対象になりました。(従来は身体障害者と知的障害者のみ算定)

A     法定雇用率は1.8%です。1000人に対し18人です。(法定雇用率達  成企業の割合は全体で42.1%です。)

B     「うつ」が習慣化しやすく(治りにくい)、再発しやすいという現実を、考えると障害者枠での雇用というのも選択肢の一つになるとおもいます。

C     労働に一定の制限を設け、その範囲で労働するという考え方です。
D最初から昔と同じように働けるというのは無理なようです。次々自分で考えながら仕事をしていく為には、訓練が必要です。繰り返し作業は出来ます。コンビ ニとかスーパーやマクドなどマニュアル通り動くことから始めてみる事も出来 ます。
再発を防ぐために、服薬を続ける(過敏な反応を抑える)病気の原因が過重な労働なら、それを避ける。引き金になったことに再度ぶつかると、再発しやすいと言います。恋愛、結婚、離婚や、金銭問題、プライドなどが要注意です。


平成17年度精神障害者の新規求職申し込み件数は14095件で、有効求職者数は19149件で、就職者数は4665人であった。
「障害者雇用実態調査」による雇用者数は、精神障害者で13000人である。身体障害者は39万9000人で、知的障害者は11万4000人である。(従業員5人以上の企業に対する調査)

働く者のメンタルヘルス相談室