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働く者のメンタルヘルス相談室 散歩で癒す

 

             歩かないとストレスが蓄積する

 

ストレスの中身が変わった。

現代人が受けているストレスは、人類が誕生した何百万年前のストレスとは異質の物です。

しかしストレスへのホルモンや神経系の反応は、太古から変わっていません。猛獣や敵から身を守る反応が、ハイテク情報社会でも変わっていないのです。そのためストレス反応が逆に自己の心身を傷つけてしまうのです。

大量に分泌されたコルチゾールなどが消費されず、行き場を失い体や脳神経を傷つけてしまいます。ストレス反応物質を消費する簡単な方法が散歩です。

散歩だけでなく、水泳でも、サッカーでも、ソフトボールでもいいのですが、毎日気軽に出来るのは、散歩ではないでしょうか。一人でも複数でも可 能です。時間も問いません。お金もかかりません。それでいて、何万年来の人類の歴史に最も寄り添う動作でもあるのです。現代人は総じて免疫力が落ちている といいます。日常の生活の中で、最も失われているのが、歩くというシンプルな動作です。1時間で4キロ約6000歩を毎日最低歩き、休みの日には2時間 12000歩、歩けばどうでしょうか。

 

現代日本人が失ったものの一つに長く歩くという習慣がある。

  

「散歩学」のすすめによれば江戸時代の庶民は三万歩は歩いたという。三〇年前のサラリーマンで一日7〇〇〇歩、現代のサラリーマンは58〇〇歩である。(古川愛哲著「散歩学」のすすめ 中公新書780+税)

貴方は何歩、歩いているでしょうか

江戸時代にも神経症や鬱は有ったかもしれませんが、今のように蔓延はしていません。

著者の古川さんは、散歩では血液循環がよくなり、脳が活性化することこそ散歩の最大の効能だと言います。神経症や鬱の場合脳に血液が十分回っていないので、散歩することによってすっきりした感じ得ることが出来ます。

散歩学の目次は

  1.たかが散歩、されど散歩−散歩の効用

  2.散歩はアウトドアーカルチァである

  3.知られざる散歩の歴史

  4.散歩は道連れ、世は情け

  5.アウトドア・カルチャ−の裏技

  6.景色を楽しむ、風景を読む

  7.散歩が十倍おもしろくなる雑学知識

 

歩く事による脂肪の燃焼は、4500歩か、30分以上の歩行で活発になります。しかし散歩の習慣を作らなければ三日坊主になってしまいます。散歩の 習慣は最初は5分、何時からでも始めて良いとして、先ず外に出る事から始め、5分、10分と少しずつ増やしていきます。足腰から作っていかなければ成功し ません。いきなり1時間を目指すのもいいのですが、多くの場合足腰がついて行きません。
脂肪や塩がいつも足りない時期を長く過ごした、人類の祖先は、脂肪や塩を無駄使いせず、ため込むことの出来る者が生き残りました。又猛獣に襲われるにして も、一瞬で逃げれるか捕まるか勝負が早いので、いつまでもストレス反応がつづくこともありませんでした。そのため今では脂肪も塩も過剰に蓄積され、ストレ ス物質も24時間体を回ります。こうした過剰が慢性化し、生活習慣病が多発するようになりました。まず歩く。それから始めましょう。
インターネットの体験記を読むと水泳で「うつ」を治したという記事が目立ちます。ゆっくり酸素を吸いながら運動する、有酸素運動が有効であることは、
町のお風呂屋さんのサウナにかよって回復に向かったという報告と重なります。ストレス過剰から脳が酸素不足になり傷ついた状態になっているのではないで しょうか。肥満から体のあらゆる部位の臓器が癌になるうるというレポートを読むと、過剰な内臓脂肪が臓器への酸素供給をじゃましているのではないかという 説もあります。


脂肪を落とし、脳に酸素を送り込む、歩くという初歩的な行為。不眠解消やストレス軽減にも役立つ動物としての人の原点だと思います。